セメントと聞くと、
「水を混ぜて、乾かしたら固まるもの」
だと思っていませんか?
でも探偵ロビンは、ある日こんな疑問を投げかけました。
もし“乾燥”で固まるなら、
水の中で作るトンネルや橋の土台は
どうやって固めているんだろう?
実は――
セメントは乾燥では固まりません。
水と出会った瞬間に始まる、
化学反応によって、石のように変身しているのです。
セメントの正体は「水で目覚めるモンスター」
セメントの粉は、
水に弱いどころか、むしろ逆。
水を見ると一斉に動き出す、
超反応性の物質の集まりです。
水を加えた瞬間から、
セメントの中ではある事件が起こります。
事件の主役「水和反応」とは?
その事件の名前は、
水和反応(すいわはんのう)。
セメントの主成分(クリンカー)が、
水を取り込みながら、
まったく別の物質に変化していく化学反応です。
イメージするなら、
- セメントの粉が
- 水を「飲み込み」
- 体の中で変身する
そんな感じ。
このとき生まれる物質こそ、
今回のミステリーの黒幕です。
超重要物質「C-S-H」の正体
水和反応によって生まれるのが、
カルシウムシリケートハイドレート
略して C-S-H。
探偵ロビンは、これをこう呼びました。
セメント界最強の「糊(のり)」
C-S-Hは、ただの固まりではありません。
見えない「針」がセメントを固める
C-S-Hは、水の中で成長しながら
針のような超細い結晶を伸ばします。
その数、なんと何億本。
これらの針が、
- あちこちに伸び
- お互いに絡み合い
- すき間を埋め尽くす
ことで、
もともとバラバラだった粉の粒を
一体化させていきます。
結果――
粉だったものが、
岩のように硬い塊になる
これが、
セメントが固まる本当の仕組みです。
セメントは時間とともに強くなる
さらに驚く事実があります。
水和反応は、
- 数日〜数週間で強度が出る
- でも、そこで終わらない
実は、
数年かけて、ゆっくり強くなり続ける
のです。
だから、
- 古い建物
- 長年使われている橋
のコンクリートは、
とても頑丈な部分があるのです。
なぜ「乾燥で固まる」と勘違いされるのか?
ここで最大の誤解。
多くの人が
「乾いたから固まった」
と思ってしまいます。
でも実際は逆。
- 固まるために
- 水が必要
途中で水が蒸発してしまうと、
水和反応が止まり、
それ以上強くなれません。
だから建設現場では、
- 水をかける
- 濡れたシートをかぶせる
などして、
乾燥させない工夫をしています。
今回のミステリーまとめ
セメントが石のように固まる理由は、
- 乾燥ではない
- 水と起こす化学反応
その正体は、
- 水和反応
- C-S-Hという針状結晶のネットワーク
水は敵ではなく、
セメントを強くする最大の味方だったのです。
探偵ロビンの日常ミステリー
次に工事現場や道路を見たら、
こう思ってみてください。
「このコンクリートの中では、
見えない針が今も成長しているかも?」
さて、最後にあなたへの質問です。
もし、セメントを自由に変形できる
「魔法の杖」があったら、
どんな建物を作ってみたいですか?
空に届くタワー?
秘密の地下要塞?
それとも透明なコンクリート?
日常の中には、
まだまだ科学のミステリーが隠れています。
それでは次回も、
探偵ロビンと一緒に謎を解き明かしましょう!
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