【探偵ロビン第66回】なぜ鉄の船は浮く?アルキメデスが暴いた「見えない上向きの力」と転覆しないトリック

探偵ロビンの日常ミステリー

「ボーーーッ!」

港に響く巨大な汽笛。何万トンもある鉄の船が、当たり前のように海に浮かんでいます。

でも、ここで不思議に思いませんか?

鉄は水よりずっと重いのに、なぜ沈まないのでしょうか?

実は――
鉄の船が浮く理由は、“軽いから”ではありません。

本当の理由は、船が水に対して「どいてもらった」からなのです。

今回は、2000年前の天才・アルキメデスが発見した「浮力」の秘密と、巨大な船が転覆しないトリックを解き明かしていきましょう!


アルミホイルの実験でわかる驚きの事実

まず、こんな実験をしてみてください。

アルミホイルを

  • 丸める → 沈む
  • 船の形に広げる → 浮く

重さは同じなのに、結果が変わります。

これは、水が「形」を見て判断しているわけではありません。

本当のポイントは、体積(たいせき)です。


アルキメデスの原理:浮かぶ理由は「どかした水」

物体を水に入れると、その物体は水を押しのけます。

このとき、水はこう言っているかのようです。

「自分の場所を奪うな! 押し返すぞ!」

この押し返す力が、浮力(ふりょく)です。

そして重要なのはここです:

押しのけた水の重さと同じだけの浮力が働く

これをアルキメデスの原理といいます。


なぜ鉄の釘は沈み、鉄の船は浮くのか?

鉄の釘は小さくて固まっています。

押しのける水の量が少ないため、浮力も小さく、重さに負けて沈みます。

一方、鉄の船は違います。

船は中が空洞になっていて、とても大きな体積を持っています。

つまり、

  • 押しのける水の量が多い
  • 浮力がとても大きい

そして、

浮力 > 船の重さ

になれば、船は浮きます。

つまり船は、巨大な「空気の箱」として浮いているのです。


もう一つの謎:なぜ船は転覆しないの?

ここで新たな疑問です。

あんなに大きくて背の高い船が、なぜ波でひっくり返らないのでしょうか?

その秘密は、3つの重要なポイントにあります:

  • 重心(G)
  • 浮心(B)
  • メタセンター(M)

難しそうに見えますが、考え方はシンプルです。


メタセンターが船の安定を守っている

船が傾くと、水に浸かっている部分の形が変わります。

すると、浮力の中心(浮心)が移動します。

このとき重要なのが、メタセンターという点です。

もし、

  • メタセンターが重心より上にある → 船は元に戻る
  • 重心がメタセンターより上にある → 船は転覆する

つまり、船が安定するかどうかは、
重心の高さで決まります。


船は重心を低くする工夫をしている

船が転覆しないようにするため、設計者はさまざまな工夫をしています。

たとえば:

  • 重いエンジンを船の底に置く
  • バラスト水(重りになる水)を船底に入れる

こうすることで、重心を低く保ち、安定させているのです。

これはまるで、起き上がりこぼしのような仕組みです。


まとめ:船は物理法則の上に浮いている

鉄の船が浮いて、しかも転覆しない理由は次の2つです:

① 押しのけた水によって大きな浮力が生まれる
② 重心を低く保つことで安定している

つまり、船はただ浮いているのではなく、
物理法則という見えない設計図の上に浮かんでいるのです。


実は、あなたも浮いている!

お風呂に入ったとき、体が少し浮きますよね。

これも同じ理由です。

あなたの体が水を押しのけ、その分だけ浮力が働いているのです。

科学は、海の上だけでなく、
お風呂の中でも働いています。


ちょっと考えてみよう!

お風呂で、

  • 浮きやすい人
  • 沈みやすい人

がいます。

この違いは何でしょう?

  • 筋肉の量?
  • 脂肪の量?
  • 肺の中の空気の量?

答えは、これらすべてが関係しています。

体の平均密度が水より小さければ浮きやすくなり、
大きければ沈みやすくなります。


次に船を見るときは、ぜひ思い出してください。

あの巨大な鉄のかたまりは、
見えない浮力によって支えられているのです。

それは、2000年前にアルキメデスが解き明かした、
今も変わらない科学の力なのです。

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